近年、被災地支援のあり方が少しずつ変わってきています。災害が起こるたびに「何か力になりたい」と思う人が増える一方で、現地との距離や情報の少なさから、「何をすればいいかわからない」と感じることもあるのではないでしょうか。
そんな中で注目されているのが、「現場とのつながり」を意識した支援のかたちです。被災した地域の声をしっかりと受け止め、その時々に必要なことを見極めながら動いていく。そうした取り組みは、支援する側とされる側の間に信頼を生み、より持続的なサポートへとつながっていきます。
この記事では、見直されつつある被災地支援の方法と、現場とつながることの大切さ、そして支援を届けるだけでなく「共に動く」支援のあり方について、事例を交えながらお伝えしていきます。
なぜいま、被災地支援の方法が見直されているのか
災害が起きるたびに、多くの人が支援に関心を寄せるようになりました。一方で、これまで当たり前のように行われてきた支援の方法が、今では少しずつ見直されるようになってきています。それは、支援する人たちの想いが、より「相手に寄り添った形」へと変化しているからかもしれません。
災害の頻度と規模が変化している
これまで数年に一度だったような大規模災害が、今では毎年のように発生しています。台風、豪雨、地震、雪害など、被害の種類も地域も多様化しており、支援のニーズもこれまで以上に複雑になってきました。従来の画一的な支援では、対応が難しい場面も増えています。
支援のかたちが多様化している
物資を届ける、募金を集める、現地で作業をするなど、ひとことで「支援」といっても、その方法は人によってさまざまです。また、現地に行けなくてもSNSで情報を届けたり、長期的な支援を継続したりと、関わり方も多様になってきています。
一方的な支援から「寄り添う支援」へ
以前は「何かしてあげる」ことが支援の中心にありましたが、今では「一緒に考える」「共に動く」という姿勢が重視されるようになっています。被災された方の声を聞き、そのとき本当に必要なことに寄り添う支援が、求められるようになってきました。
長期的な視点が求められている
復旧作業が一段落した後も、生活の再建や心のケアなど、被災地では長く続く支援が必要になります。一時的な活動ではなく、継続的に地域と関わる体制や仕組みがあることが、今の支援にとって欠かせないものになってきました。
現場とつながる支援が求められる理由
被災地支援では、支援する側と現地との間に距離があると、本当に必要なものやタイミングを見誤ってしまうことがあります。支援が届いたけれど活用されなかったり、逆に足りないものがなかなか補えなかったりといった課題は、支援の現場で実際に起こってきたことです。だからこそ、現場としっかりつながることが、これからの支援には欠かせない視点になっています。
ニーズの変化をタイムリーに把握できる
被災直後と数週間後、数ヶ月後では、現地で求められている支援は大きく変わっていきます。水や食料、避難所での生活支援から、住宅の清掃や修繕、心のケアへと、時間の経過とともに必要なものが変わる中で、現場とつながっていればその変化に柔軟に対応できます。
地域の声を受け止める土台になる
現地に足を運び、被災された方々と直接話すことで、その地域ならではの背景や思いを知ることができます。支援を「届ける」だけでなく、「聴く」「受けとめる」ことができるのも、現場との関係性があるからこそ。顔の見える関係が築かれることで、より温かく確かな支援が可能になります。
顔が見えることで信頼が生まれる
どこの誰が来てくれたのかがわかるだけで、被災された方の安心感は大きく変わります。見知らぬ人からの一方的な支援ではなく、名前を呼び合えるような関係が生まれれば、物資や作業以上に心の支えになることもあります。支援をきっかけに地域との信頼関係が築かれていくのです。
支援を“届ける”から“共に動く”へ
現場とつながっていると、支援活動そのものも変化します。単にモノや人を「送る」のではなく、一緒に動いて、一緒に考えていく——。支援する側とされる側という関係ではなく、「一緒にできること」を探す仲間としての関わり方が、これからますます求められています。
被災地で求められている支援の具体例
災害が発生したあとの被災地では、状況に応じてさまざまな支援が求められます。日常生活が突然失われた現場では、物資や人的支援だけでなく、気持ちに寄り添う関わりも大切になってきます。
清掃・泥かきなどの体力的支援
豪雨や水害のあとには、家の中に泥や汚れが大量に入り込んでしまいます。そのままでは生活を再開することができないため、家財の搬出や床下の泥かき、水の拭き取りなど、力仕事を中心とした支援が必要です。手間と時間のかかる作業を、ボランティアや支援団体がサポートしています。
住宅修繕や仮設支援などの技術的支援
被害を受けた住宅の一部を修繕したり、壁や床をはがして乾燥させたりといった技術的な作業も多く求められます。専門的な知識や経験が必要な場面もあり、建築や電気、水道の技術を持つ方の支援はとても貴重です。また、仮設住宅の設営や設備の点検など、住環境を整えるサポートも大切です。
地域行事の手伝いやお茶会などの交流支援
物理的な復旧と同じくらい、心の回復にも目を向けることが重要です。地域の行事を支えたり、お茶会やサロンといった集まりを開くことで、住民の方々が少しずつ前を向いていけるようになることもあります。何気ない会話や笑顔の交流が、大きな力になる場面は少なくありません。
継続的な物資・資金支援
被災直後はもちろん、少し時間が経ってからも必要な物や資金はたくさんあります。消耗品や衛生用品、日用品、生活に必要な家電など、そのときどきで求められるものが変わっていきます。また、支援活動そのものを継続するためにも、安定した資金の支えは欠かせません。
一人ひとりができる支援のかたち
被災地支援と聞くと、「現地に行かなければできない」と思ってしまう方もいるかもしれません。でも、支援のかたちは人それぞれで、無理なく続けられることが、長く力になることもあります。大切なのは、被災した方々や支援の現場に関心を持ち、できる方法で関わり続けることです。
現地に行かなくてもできること
たとえば、支援団体への寄付や応援メッセージ、活動の情報を発信するなど、遠くにいてもできることはたくさんあります。自分の生活の中で無理のない範囲で行動を起こすことが、誰かの力になることがあります。
寄付や物資提供のタイミング
被災直後は支援が集中しますが、少し時間が経つと支援の手が届きにくくなることもあります。だからこそ、落ち着いた頃に物資や資金を届けることも、現地にとってはとてもありがたい支援になります。必要なものを必要なタイミングで届ける工夫も、大切です。
支援活動の情報を広める役割
災害が報道されなくなると、関心が薄れてしまうこともあります。そうした中で、支援団体の活動をSNSなどで紹介したり、身近な人に伝えたりするだけでも、次の支援につながっていきます。「知ってもらう」ことも、立派な支援のひとつです。
団体や地域の支援者を応援することも支援
現場で活動している人たちを応援する気持ちも、大きな支えになります。「ありがとう」と言われることは、活動を続けるうえでの力になります。応援のメッセージを送ったり、継続的に支援する仕組みに参加することで、間接的に多くの人を助けることができます。
団体や企業が果たす現場連携の役割
被災地支援は個人の思いから始まることも多いですが、それを広げ、継続させていくためには、団体や企業の存在も欠かせません。資金力や人的ネットワークを活かして、より多くの人や物を動かすことができるからこそ、現場としっかりつながりながら、支援の幅を広げる力になっています。
資機材・人材・資金の安定供給
災害現場では、必要な道具や材料、そして作業を担う人手が求められます。企業や団体が協力することで、そうした支援を継続的に届ける体制を整えることが可能になります。物資の提供や人材派遣、寄付など、それぞれの強みを活かした支援が現場を支えています。
活動の継続性と信頼性を高める
一時的な支援だけでなく、数ヶ月、数年にわたって現地と関わっていくには、継続できる仕組みが必要です。団体や企業が支援に関わることで、活動の計画性や安定感が生まれ、地域の人たちとの信頼関係も築きやすくなります。
ボランティア活動の受け入れを支える体制
個人のボランティアが安心して活動できるように、現地での受け入れ体制を整える役割も団体にはあります。宿泊場所の確保、必要な道具の貸し出し、活動内容の調整など、細かな部分を支える存在があることで、スムーズで安全な支援が実現します。
地域との橋渡しになる立ち位置
支援を必要としている人と、支援したいと思っている人の間をつなぐ役割を果たすのが、団体や企業の大きな役割のひとつです。どんな支援が必要なのか、どこで求められているのかを丁寧に把握し、それを広く届けることで、双方にとって価値のあるつながりが生まれていきます。
MAKE HAPPYの被災地支援と現場連携の取り組み
2011年から現在に至るまで、災害が起きた現場に入り、現地の方々とともに復旧・復興の支援活動を重ねてきました。支援という言葉に込められるのは、モノや人を「届ける」だけでなく、「寄り添う」「つながる」「共に考える」という想いです。関わったすべての人の中に、少しずつ希望が芽生えていくような、そんな支援を目指しています。
現地に根ざした災害支援活動「め組JAPAN」
災害支援の取り組みでは、泥かきや家財出し、壁剥がし、洗浄、消毒といった作業支援だけでなく、地域でのお茶会の開催やイベントのサポートなど、人と人をつなぐ場づくりにも力を入れてます。作業と同時に、被災された方々の気持ちに寄り添うことを何より大切にしています。
被災者・地域・ボランティアの三方向支援
活動は被災者だけに向けられたものではありません。支援を受ける地域、支援を届けるボランティア、それぞれが安心して動ける環境づくりにも取り組んでいます。資機材の貸し出し、宿泊場所の確保、講習会の実施など、現場に集うすべての人を支える仕組みを整えてきました。
植林・間伐とつなげた防災支援
単発の支援ではなく、災害そのものを減らしていくための取り組みとして、国内外での植林活動や、手入れの進まない人工林での間伐活動も継続しています。山の保水力を高めることで、災害を未然に防ぐ自然環境を取り戻すことを目指しています。
「1st penguin project」による団体間連携
災害支援をより広げていくには、一つの団体だけでは限界があります。「何かしたい」という想いを持った団体や個人とチームを組み、それぞれの強みを持ち寄って活動していくのが「1st penguin project」です。背中を押してもらえる場所があれば、初めの一歩はきっと踏み出しやすくなります。
まとめ
被災地支援のあり方は、少しずつ変化しています。物資や人手を届けることに加えて、被災された方々の気持ちに寄り添い、地域とともに歩んでいく支援が、今の時代により求められています。現場とのつながりを大切にしながら、必要な支援を必要なタイミングで届ける。それが、MAKE HAPPYがこれまで大切にしてきた支援のかたちです。
現地に行けなくても、想いを届ける方法はあります。活動を知ること、伝えること、継続して応援することも、誰かの力になる支援です。どれも特別なことではなく、日常の中でできる行動のひとつひとつが、未来の大きな支えになっていきます。
MAKE HAPPYでは、毎月のご支援を通じて活動を応援していただける「ハッピーサポーター」を募集しています。皆さまの支えがあることで、被災地や自然環境の現場に継続的な支援を届けることができます。想いを共にする仲間として、ぜひ一緒に支援の輪を広げていきませんか?
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